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ニラと間違えスイセン誤食 家族3人が食中毒 都が注意喚起

東京都は4月24日、庭に植えたスイセンをニラと間違えて味噌汁(ニラスープ)の具に使い、家族3人が食中毒になる事例が発生したと発表した。全国では夏にかけてのこの時期、有害植物による食中毒が例年発生しているといい、都は「明らかに食用と鑑定できるもの以外は絶対に食べないでほしい」と注意を呼びかけた。

都によると、立川市内で22日夜、ニラスープを食べた家族3人が吐き気や下痢などを起こして医療機関を受診。保健所などの調査では、残ったスープからスイセンの有毒成分リコリンやガランタミンが検出された。家族は数年前から自宅の庭でニラとスイセンを栽培しており、誤ってスイセンを調理してしまったという。家族は全員、回復している。

スイセンは観賞用に栽培される多年草で、葉がニラと似ている。都内では2016年4月にもスイセンによる食中毒が発生。ほかの有毒植物の事例では過去10年間にジャガイモで計3件、チョウセンアサガオ、バイケイソウ類、ヨウシュヤマゴボウなどで各1件の食中毒が報告されていた。都は「食べられる種類かはっきり分からないものは、安易に判断せず絶対に食べないでほしい」と呼びかけている。

有毒植物を巡っては、消費者庁も2016年に注意喚起を実施。新芽などで植物の見分けがつきにくい4~5月に多く発生していることや、食用のギョウジャニンニクとよく似たイヌサフランの誤食による死亡例を示すなどして、家庭菜園における食中毒防止を呼びかけていた。

左が食用のニラ、右が有毒なスイセン。食用と観賞用をはっきりと区別して植える必要がある(消費者庁報道発表資料より)

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