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「おうちごはん」安全に レンジやトースターで子ども死亡事故

20日から実施されている「子どもの事故防止週間」にあわせ、NITE(製品評価技術基盤機構)は7月21日、台所用品による子どもの事故に注意を呼びかけた。今年3月末までの10年間に0歳から15歳までの子どもの事故が49件報告され、うち4人が死亡、12人が重傷を負っていた。新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増える中、夏休みに入るとさらに子どもの料理する機会が増えると見込まれ、NITEは「調理器具の正しい使い方を教えて、見守ってほしい」と保護者にアドバイスした。

保護者が目を離した隙にハンドブレンダーの刃に触れて重傷を負う事故が発生した(NITE再現実験より)

子どもの死亡事故が発生した台所用品はガスこんろ(火災)、電気ポット(やけど)、電子レンジ(火災)、オーブントースター(火災)。

ガスこんろの事故ではフライパンの油の過熱で火災が発生し、4歳以下の男児が死亡。電気ポットの事故では、旅館のテーブルに置いていたポットが倒れて熱湯をあび、4歳以下の男児が死亡した。

オーブントースターの事故では、可燃性のおもちゃを庫内に入れてスイッチを入れてしまい、5歳女児が火災により死亡。電子レンジの事故では、原因は特定できなかったもののターンテーブルにボタン電池と金属板、金属製ボールチェーンが残っていて、火災により4歳以下の女児が死亡した。

事故件数が多かった製品の上位はガスこんろ15件、食器・容器7件、電気ポット6件、電子レンジ3件、ミキサー類3件、ポット3件、IH調理器3件などの順。ミキサー類の3件中2件は重傷事例で、回転したハンドブレンダーの刃で指を負傷する事故(10歳男児)やスロージューサーの食材投入口に手を入れてしまい、スクリューに巻き込まれて負傷する事故(2歳男児)が起きた。

NITEによると、6歳までの子どもは電気調理機器によるやけどが、7歳以降になるとガス調理機器による火災が目立ったという。

今年に入ってから大人の事故も増えているといい、NITEの柿原敬子・製品安全広報課長は「1月から6月までのガストーチやIH調理器具による事故件数は昨年同期比との比較で若干増えている。特にガストーチは料理が不慣れな人が使うなどして事故が増えているのではないか」と分析した。NITEは「台所用品による子どもの事故を防ぐには、製品事故や危険性について保護者が十分に認識することが重要だ」と呼びかけている。

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