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【欧州】航空各社、返金せずにバウチャー強制 当局に調査要請

欧州消費者同盟

航空会社がチケットの払い戻しに応じずに消費者苦情が殺到している問題で、欧州各国の消費者団体で作る欧州消費者同盟(BEUC)と加盟11団体は連名で7月22日、欧州委員会に対し、実態調査を要請した。

BEUCによると、消費者保護法や旅客の権利を侵害する不公正な商慣習が報告されているという。苦情事例で最も多いのは「運航中止になった搭乗チケット代金が返金されず、バウチャー(次回のフライトで使えるクーポン券)を強制された」というもの。消費者には払い戻しを受ける権利があるが、航空会社はその事実を伝えずにバウチャーの受け取りを迫るなどしていた。

苦情が多い航空会社はエーゲ、エールフランス、イージージェット、KLM、ノルウェー、ライアンエアー、TAPポルトガル、トランサビアなど各国の大手が並ぶ。BEUCは「パンデミックが航空業界に大きな打撃を与えたことは理解できるが、誤った情報を提供して消費者を誤解させる行為については受け入れられない」と指摘。規制当局に実態調査と強力な執行措置を求めた。

BEUCは航空業界の不公正な商慣習の事例として、▽カスタマーセンターと連絡がつかずに払い戻しの手続きを進めることができない▽ウェブサイトのリンクが切れていて、フォームから払い戻し手続きができなくなっている▽バウチャーの利用方法の情報は簡単に見つかるが、払い戻しに関する情報は見つけにくくなっている――などをあげている。

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