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【英国】歯ホワイトニングキット、効果薄い 消費者団体が検証

英国の消費者団体Which?

英国の消費者団体Which?は8月21日、自宅でできる歯のホワイトニングキットを検証し、消費者が期待するほどの効果は薄いとの結果を公表した。歯科用とは異なり、家庭用キットの有効成分濃度はあまりにも低すぎると指摘している。

歯のホワイトニングは世界的に流行していて、英国でも家庭用キットが多数販売されている。調査会社のミンテルによると、アンケートに回答した52%の人が家庭用キットを少なくとも1日1回使用していた。キットは専門の歯科医に通うよりもはるかに安いが、果たして効果があるのか、Which?は有効成分や安全性などに注目して検証をおこなった。

歯科医によるホワイトニングでは、6%までの濃度の過酸化水素が使われる。歯形を取ってトレイを作り、そこに過酸化水素または過酸化カルバミドを含むホワイトニング剤を流しこんで、歯に装着。有効成分が歯のエナメル質に入り込み、歯を白くしていく。繰り返しの施術が必要で、歯科医のみが処方できる。

一方、家庭用ホワイトニングキットはEU規制により過酸化水素を0.1%までしか配合できず、これは歯茎や口腔内を傷つけたり、やけどを負ったりする危険性があるための措置。歯科医で作るOral Health Foundationは「メーカーがどんな宣伝をしようが、歯を白くするには濃度があまりにも低すぎる」と指摘。ほかの染み抜き成分を配合している可能性もあるが、これも歯磨き粉と同程度の効果しかないという。

また、ホワイトニング効果を増強するとうたうブルーライトやUVライトも、歯科医のレーザーホワイトニングとは異なり、効果は期待薄。過酸化水素の代わりに亜塩素酸ナトリウムやフタルイミドペルオキシカプロン酸(PAP)などを含有する家庭用キットもあるが、使い方によってはエナメル質を傷つけるおそれがあるという。

家庭用ホワイトニングキットを巡っては違法な海外製品なども流通していて、Which?は「もし笑顔をみせるのが心配なら、専門の歯科医に相談を」と呼びかけている。

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