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グーグルのFitbit買収を懸念 19団体「慎重に調査を」

アメリカ消費者団体連合(CFA)や欧州消費者同盟(BEUC)、国際組織プライバシー・インターナショナルなど各国19団体は10月15日、米グーグルによる米Fitbit(フィットビット)の買収計画について、競争とプライバシーの懸念があると表明し、規制当局に慎重な調査を求める共同声明を出した。フィットビットはウェアラブル機器大手で、グーグルの買収により「デジタルヘルスケアというデリケートな市場において、長期的なプライバシーへの影響をもたらす可能性がある」と警戒している。

19団体は声明の中で、買収計画について主に3つの問題を提起。ライバル関係にあるウェアラブル機器とAndroidとの連携を制限する可能性、グーグルのライバル会社がウェアラブルデータにアクセスすることを制限する可能性、グーグルのデジタル広告市場での優位性がさらに拡大する可能性――をあげ、独占禁止とデータプライバシー規制に絡む取引について詳細な調査が必要だと強調した。

CFAは今年4月と7月の2回、買収計画を巡り司法省などに慎重な調査を要請していた。以降、規制当局はデータセキュリティとプライバシー保護への対応をグーグルに求めるなど消費者保護に焦点を当て始めたという。しかし、CFAは「グーグルは個人情報をダブルクリック(DoubleClick)の広告データと連携させないことを約束したのに、プライバシーポリシーを変更した過去がある」と警戒を緩めず、規制当局の承認が下りる下りないに関わらず、監視を続ける必要があると訴えた。

今回の共同声明に参加した19団体は、米国からアメリカ消費者団体連合、Center for Digital Democracy(CDD)、New America’s Open Technology Institute、Omidyar Network、Open Markets Institute、Public Knowledgeの6団体、欧州から欧州消費者同盟、Access Now、European Digital Rights(EDRi)、Open Society European Policy Institute、Panoptykon Foundationの5団体、豪州から Australian Privacy Foundation、Centre for Responsible Technologyの2団体、カナダからPublic Interest Advocacy Centre、ブラジルからBrazilian Institute of Consumer Protection(IDEC)、メキシコからRed en Defensa de los Derechos Digitales(R3D)、ラテンアメリカからDerechos Digitales、国際組織のPrivacy InternationalとTrans-Atlantic Consumer Dialogue (TACD) 。

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