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はしごで作業しない・脚立はまたがない 事故の半数が誤使用

脚立やはしごで作業中、バランスを崩すなどして転倒・転落する事故が2019年度までの10年間に398件発生していることが10月22日、NITE(製品評価技術基盤機構)の調べでわかった。全体の約半数が誤使用・不注意による事故で、はしごを不安定な場所に設置したり、脚立をまたいで使ったりする事例が報告されていた。死亡・重傷事故も多数起きていて、NITEは「年末に向けて、庭木の剪定や大掃除などではしごや脚立の使用頻度が増えるとみられる。重篤な被害も多く発生しているので正しく使用してほしい」と呼びかけた。

脚立の誤使用事例。天板をまたいで作業するとバランスを崩して転落する危険性がある(NITE再現実験より)

NITEによると、はしご・脚立の事故が今年3月までの10年間に398件発生し、死亡事故(3件)や重傷事故(154件)も相次いでいた。死亡事故はすべてはしごで発生。一方、重傷事故の約76%(154件中117件)が脚立によるものだった。また、全体の約50%にあたる197件が誤使用・不注意によって発生していた。

はしごの事故では、傾斜した地面に設置する事例や身を乗り出して転落する事例、傾けすぎてはしごが滑る事例などが発生。脚立の事故では、天板をまたいで作業をして転落したり、ロックの止め忘れにより製品の脚が開いて転落したりする事例がみられた。

NITEは「はしごは昇降するために使う製品であり、この上で作業しないこと。脚立はまたいで使用せず、天板に乗ることが可能なものと禁じられているものがあるため、説明書に従って正しく使ってほしい」と呼びかけた。どちらの製品も設置場所や使用状況、補助者の有無など多くの注意点があるため、使用前に十分確認することが重要だという。

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