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電気自動車のバッテリー、6年で8%劣化 英消費者団体調査

自動車

英政府が2035年にガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する方針を示したことで、さらなる普及が期待される電気自動車(EV)――。バッテリーの劣化を懸念して購入をためらう消費者も多い中、英国の消費者団体Which?がEV所有者1016人に実態調査を行い、10月23日、その結果を公表した。

調査結果によると、購入後3年以内のEVでは、バッテリーの劣化は購入時との比較で約2%程度にとどまり、平均98%だった。一方、購入後6年たったEVでは、所有者から「着実に減少している」と報告されるなど劣化が意識される状況となり、購入時と比べて機能が約8%低下し、平均92%となった。

Which?がこれまでに実施したラボテストでのEVの平均走行距離は188マイル(約300キロメートル)で、これを今回の実態調査に当てはめると、6年間で走行距離が173マイル(約277キロメートル)に低下するという。

また、バッテリーの欠陥や不具合も気になる点だが、実態調査でのトラブル発生率は3%と「非常にまれだ」とし、多くがハイエンドの大型SUVで顕著だったという。手頃な価格の中型EVでバッテリー交換が必要となった事案は1件のみだったという。

バッテリーを巡る技術は日々進歩しており、最近では手頃な価格のEVでも1回の充電で240マイル(384キロメートル)以上走行でき、充電に必要な時間もゆっくりではあるが短縮しているという。

Which?は「リースを利用するなどして車を頻繁に交換する場合はバッテリーの劣化問題は気にならないが、中古EVを買う場合はバッテリーは重要な検討項目だ」とし、引き続きバッテリーの調査を続けていくとしている。

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