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子どもの食物アレルギー、増加一服 東京都3歳児調査

東京都庁

1999年の調査開始以来、増加していた子どもの食物アレルギーが初めて減少に転じたことが10月22日、東京都の2019年度3歳児調査でわかった。主なアレルギー罹患状況は食物アレルギーが14.9%(前回調査比2.2ポイント減)、アトピー性皮膚炎が11.3%(0.2ポイント減)、ぜん息が6.6%(1.9ポイント減)、じんましんが12.6%(変わらず)などとなった。調査は5年ごとに実施しており、毎回、約4割の子どもが何らかのアレルギー疾患があると診断されていた。

2019年度調査は昨年10月の3歳児健康診査を受けた8343人を対象に実施。2727人が回答した。

調査によると、「これまでに食物アレルギーと診断された」子どもは403人(14.9%)で、前回調査(14年度)から2.2ポイント減少した。1999年の調査開始以来、減少したのは初めて。初調査となった99年度が7.9%で、以降、04度年8.5%、09年度14.4%、14年度17.1%とこれまで増加傾向だった。

一方、ショック症状を経験した子どもの割合は引き続き増加が続き、今回の調査では1.8ポイント増の12.2%となった。また、誤食を経験した子どもの割合は21.9%(3.3ポイント減)と全体の2割強を占め、そのうち69%が自宅で発生していた。

原因とみられる食物(複数回答)は「鶏卵」74.0%、「牛乳」28.5%、「小麦」13.8%、「クルミ」6.0%、「落花生」5.3%などが上位。前回調査と比べて上昇が目立ったのは「クルミ」で、2.1ポイント増加していた。

都は「調査開始以来、増加傾向にあった食物アレルギーの罹患率は、依然として高い傾向にあるものの、初めて減少となった。また、ぜん息は最も低い割合になった」などと分析。調査結果をアレルギー疾患対策に活用していくとしている。

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