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5割の企業がお客様対応部門に在宅勤務導入 緊急事態宣言下

ACAP

新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言下に、企業がとったお客様対応の実態が明らかになった。

消費者関連専門家会議(ACAP)のアンケート調査によると、5割を超す企業がお客様対応部門(お客様相談室やカスタマーセンターなど)に新たに在宅勤務を導入。業種により偏りがみられ、食品セクターはオフィス勤務を基本とする企業が多く、金融・保険セクターでは在宅勤務の実施率が高かった。

電話受付を停止した企業もあったが、9割の企業が「消費者からおおむね理解が得られた」と回答。一部、インターネットに不慣れな高齢者から不満の声も寄せられたという。

ACAPは「企業のお客様対応部門でも新たな働き方が定着しつつある」と分析。今後も在宅勤務でのお客様対応が可能になるよう環境整備を進める企業が増えるとみている。

調査は7月~8月、会員企業544社を対象に実施。186社が回答を寄せた。

緊急事態宣言下のお客様対応部門の勤務体制を聞いたところ、リモートワークを実施した企業は8割超で、新たに在宅勤務を導入した企業も5割超あった。業種により対応が異なり、食品セクターは「オフィス勤務を基本」とする企業が75.7%にのぼったほか、流通・サービスセクターも73.6%と高かった。一方、金融・保険セクターは「新たに在宅勤務を導入」した企業が目立ち、69.2%と高い比率となった。

ACAPは「食品メーカーでは、企業によっては一時的に品薄になった商品もあり、お客様からの欠品苦情や欠品商品の購入に関する問い合わせ対応のために出社していた状況がうかがえる」と説明している。

また、7割の企業が窓口対応時間を短縮するなど受付体制を変更していることがわかった。電話受付を一時停止した企業は25%で、そのうちの9割は「非常時対応としてお客様の理解をおおむね得られた」と回答。一方でネットが使えない高齢者などからは不満や電話受付の再開を望む声もあったという。

運用ルールを変更して対応する企業も多く、72%が「WEB会議システムを導入」したほか、47.3%が「リモートワーク者に端末を貸与」し、40.9%が「端末の社外持ち出しを許可」するなどしていた。

調査では、緊急事態宣言後も宣言下の体制を全部もしくは一部継続している企業が半数以上あることも判明。ACAPは「お客様対応部門は在宅勤務への移行が難しい部門だと考えられてきたが、緊急事態宣言を機に多くの企業で在宅勤務を導入した事実が浮き彫りになった」と分析。事業継続計画や働き方の見直し、ワークバランスの面からも在宅勤務でのお客様対応を進める企業が今後も増えるとしている。

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