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【豪州】キャンピングカーの返品巡り訴訟 1人勝訴、3人却下

キャンピングカー豪最大手のJaycoが消費者の返品の権利を妨げたとして、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が提訴していた問題で、豪連邦裁判所は11月20日、購入者4人のうち1人との取引で消費者法に違反する行為があったと認定した。返金もしくは交換に応じるべきところを修理対応で済ませようとしていた。残る3人については違法性はないとし、訴えを却下した。

ACCCは「判決内容を慎重に判断する」とコメントしている。

ACCCによると、4人は同社のキャンピングカーを購入したものの、購入時もしくは直後から屋根のすき間から雨漏りがしたり、扉が正常に閉まらなかったりするなどの多数の欠陥が発生。修理を繰り返したものの改善されず、同社に返金や車両交換を求めていた。これに対し、Jaycoは「返品に応じる責任はなく、修理での対応しかできない」などと説明。ACCCはこうした対応が消費者法に違反するとして2017年11月、連邦裁判所に提訴していた。

消費者法では製品に重大な欠陥が生じた場合、消費者に返品・交換する権利があることを規定している。一方、軽微な場合、事業者側が修理、返金、部品交換などの救済策を提示できる。

裁判では事業者が欠陥の重大性が争点となり、4人のうち1人との取引でJayco社の対応が違法行為に当たると認定された。残る3人については訴えが却下された。判決を受け、ACCCは「キャンピングカーは高価で、購入者は数万ドルを支払った上、その後の対応により大きな苦痛を感じていた。欠陥のある製品については消費者法により適切な救済策が用意されていることを示す必要があった」と提訴した経緯を説明。今後については「判決内容を検討し、慎重に判断する」とコメントした。

豪州の消費者団体CHOICEによると、国内にはキャンピングカー製造事業者が120社ほど存在し、大量生産する乗用車とは市場形態が異なり、カスタムメイドでの少数生産が主流。認証・検査システムがうまく機能せず、消費者が欠陥に泣かされるケースが相次いでいるという。

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