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【欧州】栄養スコアで買い物に変化、低評価食品は「買わない」

栄養スコア

食品の健康度を5段階で表示する栄養評価ラベル「栄養スコア」(Nutri-score)について、フランス消費者同盟(UFC)は「非常に良い効果が出始めている」との見解を示した。同国で正式に採用されて3年が経過。認知度が向上して消費者の買い物行動が変化したほか、栄養改善に取り組む企業も現れているという。

栄養スコアはフランスの発案。欧州各国で採用が進んでいて、食品大手もこの動きに追随し始めている。これまでは食品メーカーや業界団体などが独自の栄養評価ラベルを表示するなどして乱立し、消費者に混乱が生じていた。フランス発の栄養スコアは消費者にとってわかりやすく、フランス、ベルギー、ドイツ、スイス、スペインなどで採用され、欧州の消費者団体も欧州域内の統一ラベルにするよう提案している。

フランスで昨年9月、1000人の消費者を対象に実施された調査では、93%の人が栄養スコアを「知っている」と回答。そのうちの半数以上が「ラベルを参考にして買う商品を変更したことがある」と答えた。3人に1人は最高スコアの食品を積極的に購入し、多くの人はスコアの低い食品は買わないようにしていた。

栄養ラベルは食品市場にも大きな影響を与えていて、全販売量の50%が栄養ラベルを表示していた。今年1月には仏スーパー大手のIntermarcheが数百の食品の栄養改善を実施すると発表。塩分や脂肪分を減らして高スコアを獲得し、売り上げ増につなげたい考えだ。ただ、栄養スコアの表示は企業の判断にゆだねられている。調査では、89%の人がすべての食品への表示義務化に賛成し、各国消費者団体も義務化を求めている。

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