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自転車の製品事故、3年連続100件超 スポーツ車が急増

傘を巻き込んだり、前輪が外れたりする自転車の製品事故が昨年までの3年に年間100件以上起き、重傷事例が多数報告されているとして、NITE(製品評価技術基盤機構)は3月25日、注意を呼びかけた。大規模なリコールが行われているハンドルロック「一発二錠」搭載自転車の事故に加え、スポーツ車による事故が急増。通勤・運動の手段や食品配達でスポーツ車の利用数が増えていることが要因とみている。

走行中の不注意による事故が毎年発生。ながらスマホやイヤホンをつけたままでの走行は危険(NITE事故再現動画より)

NITEによると、2020年までの6年間に自転車の製品事故が647件報告され、全体の6割に当たる393件が重傷となっていた。事故は17年まで年間80件台で推移していたが、直近3年間は毎年100件以上発生。18年126件、19年160件、20年109件(速報ベース)となっていた。

340万台以上のリコールが実施されている「一発二錠」に伴う事故の増加が主な要因だが、NITEはコロナ下に自転車のニーズが高まっていることも背景にあると推察。特に減少傾向だったスポーツ車の事故が昨年は13件(19年は5件)と急増。「自転車で通勤する割合が増えていること、屋外での継続的な運動として注目されている点、また、自転車による食品配達での利用数が増加している点が大きな要因だ」と説明した。

自転車事故は4月から5月に増加する傾向があり、昨年は緊急事態宣言の解除後の6月に多発した。NITEは「自転車の事故はスピードが乗った状態でけがを負うため重傷に至りやすい。人間の体は構造上、ヒトが普通に出せるスピード以上の衝撃には耐えられない」と指摘。乗車前の点検や購入後の初期点検、リコール情報の確認などとともにヘルメットの着用を呼びかけている。

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