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EU議長国にスロベニア 消費者団体がAI規制推進など要求

欧州消費者同盟

7月1日にスロベニアがEU理事会議長国に就任するのを前に、欧州各国の消費者団体で作るBEUC(欧州消費者同盟)は6月23日、7項目の推奨課題を盛り込んだ覚書を公表し、議題の最優先項目に加えるよう要求した。

議長国は加盟国による輪番制で、任期は6カ月。ポルトガルから重責を引き継ぐスロベニアは7月~12月までを担当し、就任時に議長国として取り組む最優先項目を明らかにする。

BEUCは「最優先課題には間違いなく新型コロナからの経済的・社会的回復が多く盛り込まれることになるが、EUの気候目標を達成するために欧州グリーンディールの迅速な展開も最重要になる」と指摘。消費者との関連性の高い7項目の課題を示し、最優先項目に取り入れるよう呼びかけた。

7項目は▽製品の安全性▽金融サービス分野の消費者保護▽持続可能な住宅と交通▽人工知能(AI)の規制強化▽ePrivacy規則の立法化▽デジタルサービス法案(DSA)の手続き推進▽デジタル市場法案(DMA)の手続き推進――。7項目のうち4項目をデジタル分野の課題が占め、AI規制については「消費者は新たなリスクにさらされるのではなく、AIによって恩恵を受けるべきだ。規制の範囲を拡大し、AIの商業的使用によって引き起こされる経済的危害や差別から消費者を保護する必要がある」と訴えた。

7項目の覚書は、消費者視点で最優先課題を列挙したもの。BEUCは「消費者を危険にさらしているものは何か。スロベニアはこの覚書を掘り下げて、議題のトップに何をすえるか検討してほしい」と呼びかけた。

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