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生協、サステナブル商品強化 水産物中心に120品展開へ

日本生活協同組合連合会は、エシカル消費対応商品「コープサステナブル」シリーズを強化していく。10月末時点の84品から、来春には約120品に増やす方針。乱獲が懸念される水産物については新たに34品を展開する予定で、シリーズ全体の水産食品構成比を6割以上に引き上げる。記者会見した日本生協連の二村睦子常務理事は「水産資源の問題は今、環境問題の中でも非常に大きなテーマ。生協としても大きな問題だととらえ、重点的に取り組んでいる」と強調した。

水産物を中心としたサステナブル商品の強化を報告する二村睦子常務理事(10月26日、写真はウェブ画面上の画像)

日本生協連は今年2月からコープサステナブルシリーズを本格展開し、環境や社会に配慮した主原料を使った商品の普及を進めている。様々な認証マークが登場する中、共通ロゴマークをパッケージに付けてシリーズ化し、サステナブル商品をわかりやすく、選びやすくする試みだ。

商品数も10月末の84品から、来春には約120品へと強化する。乱獲が指摘される水産食品は41品から75品へと34品増やす予定で、シリーズ全体における水産食品の構成比も48.8%から62.5%程度へと引き上げる。

国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の漁獲資源は約30%がとり過ぎ、約60%がこれ以上漁獲量を増やせない状況(2015年時)にある。その上、世界的な人口増加、健康志向の高まりを背景に水産資源の需要が高まる見通しで、水産資源の減少が加速していく可能性があるという。

二村常務理事は「漁業においては魚をとりすぎないようルールを守る、養殖業においては水質や海洋環境への影響を抑えるやり方をするというのが非常に重要だ」と指摘する一方で、「持続可能で適切に管理された水産物を消費者が選ぶことが大事だ」と強調した。

コープサステナブルシリーズでは、BPA認証のサーモンを使用した国内初のPB商品「CO・OPスモークサーモントラウト切り落とし」などを展開しており、二村常務理事は「今後も認証を利用して商品の配置を広げていきたい」と語った。

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