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米インフラ投資法案可決で高速ネット網強化へ 3千万人に朗報

ホワイトハウス

総額1兆ドル(113兆円)規模のインフラ投資法案が米下院で可決し、ブロードバンド回線の整備が進められることを受け、デジタルデバイド問題に取り組んできた消費者団体コンシューマー・リポートは11月6日、称賛する声明を出した。米国では3000万人以上がブロードバンド網のない地域に住んでいるとされ、同団体は「より多くの米国人、とりわけ最も脆弱な人々が高速インターネットを利用できるようになることは重要であり、ブロードバンド市場の改善にも役立つ」と歓迎している。

インフラ投資法案は港、空港、道路、橋、鉄道、水道、ブロードバンド網の整備に投資し、気候変動対策やサプライチェーンの強化、雇用の創出につなげる狙い。ブロードバンド網の整備には650億円(7.3兆円)をあてる方針で、ホワイトハウスは「高速インターネットへの接続は誰もが仕事、教育、医療を平等に受けるために必要不可欠だ。歴史的な投資を通じて、すべての米国人が信頼できる高速インタネット回線に接続できるようにする」との声明を出した。

米国には一定水準の通信速度を持つブロードバンドサービスが提供されていない地域があり、そこには3000万人以上が住んでいるとされる。特に農村地区は整備が遅れており、デジタルデバイドが深刻化している。また、経済協力開発機構(OECD)の調査によると、米国のブロードバンド料金は35カ国中2番目に高額だった。米政府はブロードバンド網の整備とともに料金引き下げ、広告表示の改善なども進める方針だ。

コンシューマー・リポートは今年7月、多くの米国人が通信速度や高額な料金、事業者の独占に不満を持っているとして40団体以上と手を組み「ブロードバンド・トゥギャザー」プロジェクトを開始。速度測定調査や価格調査への協力を消費者に呼びかけ、より公正なインターネットサービスを勝ち取る運動を展開してきた。ブロードバンド料金が高額な理由について、同団体は「サービス提供事業者が1社のみの地域も多く、そのためサービスは向上せず、料金は高いままだ。消費者は他社への乗り換えができず、選択肢が与えられていない」と指摘している。プロジェクトには11月9日現在、5万5千人以上が参加している。

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