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【米国】クルマの安全性、後部座席に焦点 消費者団体が評価開始

クルマの後部座席の衝突安全機能が前部座席ほど充実していないとして、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは昨年から、後部座席の安全性テストを開始した。現在、約40車種の評価を完了し、上位にはトヨタ、ホンダなど日本ブランドが並んだ。同団体は「後部座席の安全対策が遅れている。今後もテストを拡大させていく」としている。

後部座席には幼児や子どもに加え、大人、高齢者など幅広い人が座るため、同団体は子どもの安全性に焦点をあてながら大人の保護を含めた総合的な評価手法を開発。チャイルドシートのフィット感、ブースターシートの装着しやすさ、子どもの置き去り防止機能、後部座席ベルトの安全性など6項目を評価してスコア化した。

現在、2021年モデル28車種、22年モデル11車種の計39車種の評価を完了。トップはトヨタ「シエナ」で72ポイントを獲得。以下、日産「ローグ」(69ポイント)、ホンダ「シビック」(68ポイント)、日産「パスファインダー」(67ポイント)、フォード「ブロンコ4DR」(64ポイント)などと続いた。

米運輸省道路交通安全局の統計によると、衝突時に乗員を保護する「シートベルト・プリテンショナー」と「ロードリミッター」は、ほぼすべての新車の前部座席に搭載されているが、後部座席への搭載は主流モデルにおいても約40%となっていた。

コンシューマー・リポートは「前部座席の安全技術が後部座席にまで及んでいない」と指摘。また、「後部座席の安全機能に関する情報が消費者に提供されることも少ない」とし、テストを拡大させて消費者のクルマ選びを支援する方針だ。

米国道路安全保険協会(IIHS)も後部座席に焦点をあてた正面衝突試験を開始しており、自動車の安全性評価は新たな段階へと進む見通し。コンシューマー・リポートは「自動車メーカーはより厳しい安全性評価をクリアするため改善を図ることが多い。後部座席の安全性が向上することを楽しみにしている」と期待を寄せている。

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