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検査キット高騰の苦情3900件 豪当局「値上げ一服もまだ高い」

オーストラリア競争・消費者委員会

オーストラリアの薬局などで売られている迅速抗原検査キットの価格が高騰し、消費者の不満が高まっている問題で、豪競争・消費者委員会(ACCC)は1月26日までの1カ月間に約3900件の苦情が寄せられたことを公表した。ACCCの小売店調査によると、値上げは一服しつつあるが、店頭価格は卸値のおよそ2倍と高止まりしており、「我々の見解からすると現在の価格を正当化することは困難だ」と指摘している。

苦情の95%は値上げに関するもの。購入場所としては薬局が全体の34%と最も多く、ガソリンスタンド(20%)やその他の店舗(コンビニ、タバコ店、スーパー)を上回った。1月中旬以降、薬局の苦情が減る一方で、普段は衛生用品を取り扱わないような小規模店舗に関する苦情が多く寄せられているという。

ACCCの最新調査によると、検査キットの卸売価格は3.82~11.42豪ドル。一方、薬局での店頭価格は15~25豪ドルで、平均21豪ドルだった。ACCCのロッド・シムズ委員長は「極端な高値で販売している店舗もあるので、およそ20豪ドルの小売価格は苦情事例の中では低いほうだが、依然として大幅な値上げであり、これを正当化することは困難だ」と指摘した。

消費者の多くは20~30豪ドルで検査キットを購入しているが、1月中旬以降は当局の監視もあってか値上げが一服しつつあり、20ドル近辺に向けて安定してきたという。

オーストラリア消費者法では「良心的ではない行為」を禁止しており、重い罰則が科される可能性がある。ACCCは「パンデミックの真っただ中という非常事態において、不当な値上げは違法行為と見なされるリスクがある」と小売業者に警告。今後も監視を続けるとしている。

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