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全国消団連「国際活動専門委員会」再始動 CIと連携強化へ

全国消費者団体連絡会(全国消団連)は3月15日、世界消費者権利デーを記念する学習会「消費者をとりまく『デジタル金融サービス』の現状と課題」を開催した。

国際消費者機構(CI)が設定した権利デーのテーマに合わせた学習会で、企画したのは昨年5月に活動を再開した全国消団連「国際活動専門委員会」。コロナ禍にCIとのオンライン交流が活発化したことなどから再始動させたといい、全国消団連事務局は「CIの日本に寄せる期待は大きい。デジタル化の進展に伴う消費者課題は世界共通であり、今後もCIとの連携を深めていきたい」と語った。

開催日、開催テーマとも世界消費者権利デーに合わせた学習会は今回が初の試みだという。

「世界消費者権利デー当日に開催することに意義がある」――。カライスコス・アントニオス京大大学院准教授の賛同を得て開催された学習会の様子(写真はWEB画像)

学習会には全国から約100人がオンラインで参加。京都大学大学院法学研究科准教授のカライスコス・アントニオスさんがデジタル金融サービスの現状と課題について国際的な視野から講演した。

コロナ禍でキャッシュレス決済が普及する中、アントニオスさんは高齢者など脆弱な消費者が排除・差別される危険性、個人データに関する透明性の問題など様々な課題を示し、今後の方向性としてデジタル金融サービスにも標準(ISO)の活用や使い過ぎなどを防止する「デジタルウェルビーイング」が重要になると解説。そして「最後はやはり消費者市民社会。自分が現在使っているデジタル金融サービスのあり方が将来の世代に及ぼす影響、社会に及ぼす影響、世界に及ぼす影響、持続可能性や公正性に及ぼす影響を常に認識し、世界に情報発信してほしい」と呼びかけた。

記念講演会を実現させた国際活動専門委員会(加藤絵美委員長)は、全国消団連加盟団体から手を挙げた英語が堪能な8人の有志で構成。コロナ禍の2000年度以降、CIからオンライン意見交換の要請が急増し、当初、全国消団連事務局で対応してきたが、専門委員会の活動再開に合わせて委員も合流したという。交流は年2~3回、不定期に開催され、CIからはマリムトゥ・ナダソン会長(マレーシア消費者協会)やヘレナ・ローレン事務局長が参加している。

今回の記念学習会については、すでにCIに報告済み。全国消団連事務局は「デジタルプラットフォームのあり方が世界的な問題になり、ECサイトを通じた越境商取引も激増するなど、海外との連携が欠かせないとの認識は以前からあった。多忙な委員の協力を得ながらの再始動となるが、CIが日本に寄せる期待も大きい。日本からの情報発信を強めていきたい」としている。

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