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カップ麺での子どものやけど、保護者1割が経験 都が実態調査

東京都庁

カップ麺による子どものやけどについて、東京都が保護者への実態調査をおこなったところ、保護者の4人に1人が「子どもがやけどした・しそうになった」経験を持つことがわかった。実際に子どもがやけどをした経験を持つ保護者は全体の1割にのぼった。お湯を注いでいる時や焼きそばの湯切り時に熱湯に触れたり、容器を倒したりするケースが目立ち、年齢では6歳までの幼児期が3分の2を占めた。

都は保護者に対し、子どもにやけどの危険性を伝えて注意を促し、容器に移し替えるなど食べさせ方を工夫するよう呼びかけている。

東京消防庁の集計によると、同庁管内の子どものやけどによる救急搬送で「カップ麺に起因する事故」が毎年上位となっており、2020年は2歳の8人、3~5歳の19人、6~12歳の19人が搬送され、2歳以上のすべての年齢区分において1位だった。「机の上に置いてあったカップ麺を引き寄せようとして倒してしまい、大腿部にスープがかかり受傷した」(4歳、中等症)などの事故が起きていた。

そこで、都は1~12歳の子どもを持つ20歳以上の保護者2000人を対象に実態調査を実施。その結果、カップ麺で子どもがやけどをした・しそうになった経験がある人は全体の25.3%、実際にやけどをした経験がある人は全体の10.8%にのぼった。

やけどをした・しそうになった子どもの年齢は3歳、5歳、1歳の順に多く、6歳までの幼児期で全体の3分の2を占めた。カップ麺の種類では「縦に長い容器のラーメン」が46.9%、「幅の広い(長方形の)容器の焼きそば」が10.7%と目立った。

やけどをした・しそうになった時の状況は「お湯をカップに注いでいる時」が23.7%、「(焼きそばなど)湯切り中」が21.9%、「お湯を入れて規定時間を待っている時」が19.9%など。その時にお湯に触れる、容器を落とす、容器を倒すなどしてやけどをしていたほか、「容器の底や側面が割れた」「容器を持ったらへこんだ」などの事例も報告された。

都の調査では、やけどに関する注意は海外製品を除いたすべての製品に表示されていたが、子どもに対する注意表示はいずれの製品にもなかった。一方、強度が弱く変形しやすい製品が流通していることは確認できなかった。容器の改良について、保護者からは「容器が熱くないようにしてほしい」「倒れないようにしてほしい」「持ちやすくしてほしい」などの要望が寄せられたという。

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