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飲料用アルミ缶リサイクル率96.6% 低炭素の取組も追い風

●過去2番目の高さ 6年連続で目標達成

アルミ缶リサイクル協会(花房達也理事長)がまとめた2021年度の飲料用アルミ缶リサイクル率は、前年度比2.6ポイント増の96.6%だった。過去2番目の高さで、目標とする「92%以上」を6年連続で達成した。アルミ缶回収量の半分近くを占める草の根の集団回収などが堅調だったほか、使用済みアルミ缶(UBC)の海外流出が減る一方で、国内での再生利用が旺盛だった。企業のカーボンニュートラルへの取り組みも追い風になった。

都内で記者発表したアルミ缶リサイクル協会。「真のリサイクルは国内循環と水平リサイクル」と語る花房理事長(6月17日、如水会館にて)

21年度のアルミ缶消費量は微減の33万596トン(前年度比582トン減)。一方、製造業の回復や低炭素への取り組みなどを背景に国内での再生利用量が伸び、前年度比1万9709九トン増の24万5262トンとなった。UBC輸出量は前年度比1万1637トン減の7万3953トンと減少。特に主要輸出先である韓国向けは、工場ストの発生やUBC価格の高騰による調達先の変更などを背景に1万8300トンも急減していた。

また、協会が重視する「CAN to CAN率」(水平リサイクル率)は4ポイント減の67%に低下した。これは算出式の分母となる国内再生利用量が急増したためで、缶材への利用量は前年よりも4300トン増加していた。

リサイクル率が高水準で推移していることについて、花房理事長は「統計に出てこない部分を含めると上限に近い水準に達しているとみている。我々が懸念しているのは、労力をかけて回収してきたUBCが海外に流出していること。高度なリサイクル社会を実現するには、水平リサイクルがあるべき姿であり、国として海外流出問題にどう取り組むのか、本気で考える段階にきている」とコメント。韓国では2024年にも新たな大型再生工場の竣工が計画されていて、協会は今後の動向を注視するとしている。

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