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【欧州】捻挫にアイシングは回復に逆効果 消費者団体が論文検証

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ポルトガル最大の消費者団体DECOは7月20日、足首の捻挫や肉離れに氷を用いることは回復の逆効果になる可能性があるとして、正しい回復方法を学ぶよう消費者に呼びかけた。研究論文を示しながら最新のアプローチを解説している。

DECOは、氷などを患部に当てる「アイシング」について、「過去40年間、抗炎症薬の服用とともに行われてきた慣行だが、回復については効果がないことが証明されている」と指摘。1978年のGabe Mirkin博士の論文や2012年のRICE関連レビュー、さらには2015年のGabe Mirkin博士の研究報告などを根拠として示した。これらの文献によると、アイシングは痛みを軽減するのに役立つが、再生に関与する細胞が損傷部位に入るのを妨げ、回復を遅らせることが示されたという。また、抗炎症薬も回復を遅らせるため、研究では避ける必要があると指摘されていた。

新たなアプローチとして、DECOはカナダの理学療法士Blaise Dubois氏とJean-François Esculier氏によって示された手法を紹介。けがをした日から数日(1~3日程度)は痛みが増すような活動を避ける▽可能な限り負傷した部位を心臓よりも高い位置に維持する▽アイシングや抗炎症薬は避ける▽腫れを減らすためにゴムバンドを使用する――などを示した。このアプローチでは、奇跡的な回復方法を探すのではなく、自然に治癒するまである程度時間がかかることを受け入れることが重要だと指摘している。ポジティブな思考や痛みを伴わない有酸素運動など包括的なリハビリテーションプロセスが提唱されているという。

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