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消費者トラブル対策、その場で判断せず相談を 菊間弁護士が講演

東京都消費生活総合センターは7月8日、東京都金融広報委員会と共催で、くらしに身近な金融や契約トラブルへの対策を学ぶ消費生活講座を東京ウイメンズプラザホール(渋谷区)で実施した。元アナウンサーで弁護士の菊間千乃さんが講演し、弁護士の目線から最新の手口や注意ポイントなどを解説。「悪質業者は一見親切で良い人に見えるが、お金や投資の話をしてくるので要注意。その場をやり過ごして一人で判断せず、まずは家族や役所などに相談してほしい」と呼びかけた。

弁護士の目線から、詐欺や消費者トラブルへの対処法を解説する菊間千乃弁護士(7月8日、東京ウイメンズプラザホールにて)

「人生100年を生き抜くための金融リテラシー」と題した講演会は二部構成。第一部ではお笑いコンビいち・もく・さんが啓発漫才を披露、第二部では菊間さんが講演をおこなった。会場には定員となる100人が来場したほか、オンラインで多くの人が参加した。

菊間さんは講演の中で、詐欺や契約トラブルに関する事例を紹介。近年、トラブルが相次ぐ美容医療や定期購入についても話を広げ、それぞれの最新手口や注意ポイント、関係法律などを紹介した。親族も被害に遭ったという菊間さんの経験談もあり、「叔母がオレオレ詐欺の被害に遭った。企業経営者や大企業役員からも詐欺の相談が寄せられるので、もはや他人事ではない」と注意を呼びかけた。

また、弁護士事務所のパソコンにも大手ネット通販事業者を装う詐欺メールが届いている話もされた。「記載されたURLにアクセスしたり、電話をしたりすると会員情報や金銭をだまし取られたりする」と警告し、詐欺や消費者トラブルへの対策として「連絡しない」「個人情報を教えない」「いったん電話を切る」「固定電話は留守電にしておく」などを示した。

詐欺被害に遭ってしまうと金銭を取り戻すことが困難で、警察に告訴してもなかなか受理されないケースが多いという。さらに悪質業者の間で被害者リストが出回り、二次被害に遭う危険性が高まる。

菊間さんは「その場で判断せず、一拍置いて家族など誰かに相談することが大事」とし、身近な窓口として消費者ホットライン「188」や最寄りの消費生活センターへの相談を呼びかけた。

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