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傾斜型の乳幼児製品、睡眠用とあやし用の違いは? 明確化求める

米消費者製品安全委員会

米議会下院監視委員会の議員らが米消費者製品安全委員会(CPSC)に書簡を送り、傾斜型の乳幼児用睡眠製品を禁止する新規則について、適用範囲を明確に示すよう求めていることがわかった。新規則では傾斜のついた「スリーパー」と呼ばれる製品を規制対象としているが、市場には赤ちゃんをあやすための「ロッカー」や「バウンサー」など類似の傾斜型製品が多数流通している。議員らは「これらの製品は睡眠用に販売されてはいないが、傾斜がついており、赤ちゃんが眠ってしまうと危険性がある」と指摘。傾斜のついたベビーカーやチャイルドシートについても問い合わせを行っている。

今年5月にバイデン大統領が署名した「乳幼児の安全な睡眠法(Safe Sleep for Babies Act)」は、10度を超す傾斜のついた1歳までの乳幼児用睡眠製品の販売や製造を禁止している。ベビーベッド「フィッシャープライス ロックンプレイスリーパー」などの傾斜型睡眠製品で数十件もの死亡事故が起きていることが判明し、規制へとつながった。

一方で、よく似た製品としてロッカーやバウンサー、バスタブなどの傾斜型製品が販売されていて、議員らは「傾斜のある製品が睡眠用として販売されていないからといって、赤ちゃんがその製品で眠らないとは限らない。CPSCは10度を超す傾斜のついたすべての乳幼児製品について、新規則の対象となるかどうかを明らかにする必要がある」と回答を求めた。さらに、これらの傾斜型製品の死亡事故について情報開示を求めたほか、同じく傾斜があり、赤ちゃんが眠ることの多いベビーカーやチャイルドシートについても問い合わせを行った。

米消費者団体のコンシューマー・リポートも8月、CPSCに同様の書簡を送付。「赤ちゃんは平らで硬い場所で寝る必要がある。保護者は傾斜型スリーパーのリスクは知っていても、類似製品に同じリスクがあることを知らない可能性がある」として、すべての傾斜型製品を対象とした事故対策を求めている。

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