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栗のオーブン加熱 切り込み不十分だと破裂 長さと深さポイント

電気オーブンや電子レンジで焼き栗を作る際、栗の皮への切り込みが不十分だと加熱中に破裂するおそれがあることが、NITE(製品評価技術基盤機構)とレシピサイト大手クックパッドの実証実験でわかった。食材が無駄になるばかりでなく、やけどや発火・火災につながる可能性もあるとして、安全な調理方法を紹介している。

NITEとクックパッドによる実証実験の1シーン。激しく破裂し中身が飛び散っている(NITE提供)

実証実験では、オーブンとレンジにおける焼き栗調理の危険性を検証した。「切り込みを入れずにそのまま加熱」、「鬼皮のみ切り込みを入れて加熱」、「渋皮まで切り込みを入れて加熱」した場合の3パターンを設定し、調理時間はオーブンが200℃および250℃で20分、レンジが700Wで3分とした。

その結果、切り込みの入っていない栗や切り込みが不十分な栗はオーブン・レンジともに破裂し、中身が庫内に飛び散った。特にレンジでは1分30秒程度の短時間に破裂が生じ、その衝撃で扉が開いてしまったため実験を中断せざるを得なかった。また、破裂する栗の割合はオーブンよりもレンジのほうが高い傾向が確認された。

破裂した理由について、NITEなどは「加熱により栗内部で蒸気が発生し、鬼皮で閉じ込められて内圧が高まったため」と分析。特にレンジでは「内部温度が急速に高くなり、より多くの破裂に至ったと考えられる」と考察した。

破裂を防ぐには「栗の半周程度以上の長さ」の切り込みを「渋皮まで達する深さ」で入れることがポイント。レンジ調理では、そもそも殻や膜のある食品の加熱を禁止している場合があり、取扱説明書を確認して安全に調理することが重要だとした。切れ目を入れるよう記載されている場合は、切り込みをしっかりと入れたうえで様子を見ながら少しずつ加熱するよう勧めた。

加熱した栗は調理を終えた直後にも破裂する恐れがあるため取り扱いに注意が必要。また、食材の汚れが付着したままオーブンやレンジを使い続けると、発火や火災につながる可能性があるため、こまめに清掃を行うよう呼びかけている。検証実験の様子や注意ポイントをまとめた3分弱の動画がNITEのYouTube公式チャンネル「せいあんちゃんねる」で公開されている。

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