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徳島で国際消費者フォーラム 世界のエシカルリーダーが議論

徳島県は10月25日、「とくしま国際消費者フォーラム2022」を開催した。3年目となる今回は初のリアル開催となり、会場には定員となる約200人が詰めかけ、オンラインには国内外から約80人が視聴参加した。3部構成のセッションでは、各国からエシカル消費、消費者教育、消費者政策のトップリーダーが集結し、未来志向の議論を世界に向けて発信した。

エシカル、消費者政策、消費者教育の世界的リーダーが集まった「とくしま国際消費者フォーラム」。未来志向の提案を世界に向けて発信した(写真提供・徳島県消費者政策課)

フォーラム会場となった「JRホテルクレメント徳島」は2019年に日本初となるG20消費者政策国際会議(消費者庁・徳島県共催)が開かれた場所。G20加盟国を含む計38カ国・地域の国際機関代表者が一堂に会し、デジタル時代における消費者政策の課題を世界に発信した。そのレガシーを引き継ぎ、県は2020年から同フォーラムを毎年開催してきた。今回が初のリアル開催となる。

テーマは『未来につなぐ!持続可能な社会に向けた「消費者の新たな挑戦」』。欧米やASEAN諸国などのエシカル消費トップリーダーによるセッション、日本・マレーシア・フィリピン・タイの大学生による未来セッション、消費者庁との共同セッションが行われ、国際消費者機構(CI)事務局長のヘレナ・ローラン氏がビデオメッセージを寄せるなどした。

第1部のセッションではエシカル消費のトップリーダーが「将来のデジタル消費者に力を与える」をテーマに議論を交わし、未来志向の提案を世界に発信した。英エシカルコンシューマー誌のロブ・ハリソン編集長はZ世代にエシカル消費が広がっていることを紹介し、「持続可能な消費を実現するには、市場に出ていく前に、まずは学校教育で学んでおくことが重要だ」と強調。徳島県が進める教育現場での取り組みに期待を寄せた。

また、ファッション分野のエシカル度評価アプリを運営する豪グッドオンユーのゴードン・ルノフ代表は「消費者が責任ある選択をするには製品やサービスが生まれるプロセスを透明化しなければいけないが、多くのブランドがそうなってはいない」と指摘し、グリーンウォッシング(環境配慮を装った表示)の排除や情報公開の義務化など政策による後押しが必要だと訴えた。

フォーラムの様子は「とくしま国際消費者フォーラム2022」特設サイトで来年以降に公開する予定。徳島県は同フォーラムに加え、エシカル甲子園の開催、消費者志向経営の推進など先進的な取り組みを展開中。2025年の大阪・関西万博でも、こうした取り組みを世界に向けて発信していくとしている。

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