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ペットボトルリサイクル率86%、目標達成 水平リサイクル活発

PETボトルリサイクル推進協議会がまとめた2021年度ペットボトルリサイクル率は86.0%で、目標とする「85%以上の維持」を達成した。前年度から2.8ポイント減少したが、コロナ前の水準に戻った形。飲料各社が注力するボトルtoボトル比率は20.3%で、前年度比4.6ポイント増と急伸した。金子友昭会長は「循環型社会形成に向けて多くの課題に真摯に取り組んでいく」と語った。

3年ぶりの対面での記者説明会を開くPETボトルリサイクル推進協議会。水平リサイクルを推し進める方針だ(11月22日、経団連会館にて)

協議会によると、21年度のボトル販売量は前年度比5.4%増の58.1万トン。これに対し、リサイクル量は2.1%増の50万トンで、リサイクル率は2.8ポイント減の86.0%となった。リサイクル率が前年度から低下したことについて、小松郁夫専務理事は「20年度はコロナ禍と天候不順の影響でボトル販売量が減る一方で、家庭内での消費が増え、消費者が適切な分別・排出を行った結果、再資源化量が増加し、リサイクル率が高くなった」と説明。21年度は販売量・回収量ともにコロナ以前のレベルに戻ったという。

また、21年度のボトルtoボトルリサイクル量は前年度比36.4%増の11万7000トン、ボトルtoボトル比率は4.6ポイント増の20.3%と、それぞれ急伸した。飲料各社が取り組みを強化したほか、再生事業者の設備増強が活発だった。協議会は「ボトルからボトルへ再生する水平リサイクルは理想的なリサイクル手法だ」として、2030年度までに50%を目指す方針だ。

来年度には関西地区で新規再生事業者のさらなる生産能力の増強が図られる予定で、ボトルtoボトルのさらなる前進が見込まれる。那須俊一副会長は「年3.5ポイントずつ上乗せしていくと50%に届く。確実に達成できる数字だとみている」と意欲を示した。協議会は不法投棄の防止や適切な分別・回収を呼びかけ、リサイクルの質の向上を進めるとしている。

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