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及川昭伍さん「偲ぶ会」開催 ゆかりある関係者が献花

◎思い出新たに「消費者主権の社会」を

消費者行政推進に力を注いだ及川昭伍さんを偲ぶ会が11月20日、東京・千代田区の学士会館で開かれた。消費者行政にゆかりある方々や、及川さんの郷里・盛岡から参加した旧友の皆さんもありし日の及川さんの思い出を温め合った。

及川さんは1932年に岩手県で生まれ、東北大学法学部卒後、大蔵省に入省。経済企画庁では消費者行政課長、国民生活政策課長、国民生活局長、総合計画局長を歴任した。

消費者団体、消費者行政関係者はじめ多数のゆかりある関係者が献花に訪れた(11月20日)

その足跡は激動の消費者行政で埋まっている。退官後は国民生活センター理事長、全国消費生活相談員協会会長を務めた。2015年(平成27年)に田口義明さん(名古屋経済大学名誉教授)が聞き手となり、及川さんが話し手となってまとめた「消費者事件、歴史の証言」(民事法研究会発行)は、副題に「消費者主権へのあゆみ」と銘打たれているように、及川さんの消費者目線からの施策への意欲が鮮明に描かれている。悪質業者を公表しようと決意した際の国会対応、辞表を背広の内ポケットに納めて上司と交渉する姿は生半可な気持ちではできない及川さんの矜持を感じさせる。ニッポン消費者新聞の記者はいつも「心柱をしっかりと持て」と激励していただいた。懐かしいダミ声と人懐っこい風貌。消費者問題の深刻化に伴い、多くの人の胸裏に強く宿ることだろう。

(本紙「ニッポン消費者新聞」12月1日号より転載)
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