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アルミ缶需要、18年は横ばい予測 チューハイ向け伸長

アルミ缶リサイクル協会(富永泰夫理事長)が2月16日発表した飲料用アルミ缶の2018年需要量は、前年比1%減の218億缶と横ばいの予測だった。ビール系の減少が続く中、チューハイ・ハイボール向けが伸長。これまで快走してきたコーヒー向けボトル缶は伸びがやや鈍化するとみた。長期的なアルミ缶需要量は拡大が続いていて、16年には過去最高の223億8千万缶を記録した。直近2年は微減を見込むが高原状態での推移となっている。

2018年アルミ缶需要予測を発表するアルミ缶リサイクル協会。中央が富永泰夫理事長(16日午前)

内訳はビール系が2%減の93億8千万缶、その他アルコール系(チューハイ、ハイボールなど)が7%増の37億8千万缶、非アルコール系(コーヒー、清涼飲料など)が1%減の81億6千万缶など。

全体の4割超を占めるビール系は減少が続き、同協会は「ビール液量が13年連続マイナスになったことが影響した」と説明。一方、増加が続くその他アルコール系については、富永泰夫理事長が「飲料メーカーがビールの落ち込みをカバーしようとチューハイやハイボールに注力し、市場も二桁の伸びが続いていると聞いている。アルコール飲料にほぼ100%アルミ缶が使われていることも大きい」と分析した。

一方、ボトル缶が牽引してきた非アルコール系は2年連続となる微減を予想。富永理事長は「18年は前年比4億缶ほど減少すると予想した。ボトル缶自体の伸びは続いているが、伸び率が緩やかになるとみている。飲料メーカーがペットボトルを利用する機会が増えることも推測されるし、昨年は天候不順の影響で清涼飲料水市場が横ばいになったと聞き及んでいる」と語った。

アルミ缶需要量は長期的にみると右肩上がりで推移している。1971年にアルミ製ビール缶が実用化されて以降、ビール出荷量とともに需要が拡大。1980年代にはソフトドリンクのアルミ缶化が成長を後押しした。1994年をピークにビール消費量が減少に転じるも、2000年にはボトル缶が登場。現在は缶チューハイ・ハイボール人気が追い風となり、2000年代の180億缶台から一気に200億缶台へと飛躍。2016年には過去最高の223億8千万缶を記録するなどしていた。

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