サイトアイコン WEBニッポン消費者新聞

電子レンジの発煙・発火事故 8%が経験 東京都が実態調査

◎都内のレンジ火災、過去最多 「現実に即した啓発」必要

2022年に都内で発生した電子レンジ火災が過去最多の84件にのぼったことから、東京都生活文化スポーツ局が2000人を対象に使用実態調査を行った。その結果、使用中に発煙・発火を経験した人が8%いて、温め不可の食品や食器を加熱したり、温め時間を長く設定したりする実態が確認された。また、およそ3割の人が危険な使用方法を「やったことがある」と回答。都は報告書の中で「電子レンジの取扱方法について、より踏み込んだ現実に即した注意喚起が重要」と指摘し、事業者や国にさらなる安全対策を求めた。

東京都が実施した実験では、長時間のレンジ加熱によりサツマイモが発火した。中華まんやアルミホイルなども要注意だ(写真:東京都生活文化スポーツ局提供)

調査結果によると、発煙・発火の主な原因は「温めてはいけないものを温めた」が58.2%、「温める時間を長く設定してしまった」が35.8%など。「ソフトクッキーを袋ごと加熱した時に袋から発火した」、「不織布マスクを洗ってから消毒を兼ねてレンジに入れたら鼻の部分に金属があり火花が散った」などの事例が寄せられた。

「やったことがある」危険な使用方法では、「少量のものを過剰に加熱」が全回答者の29.7%にのぼり、「高温になりやすいものを過剰の加熱」26.1%、「水分の少ないものを過剰に加熱」25.0%と続いた。また、危険な使用方法のうち「知らなかった」との回答が最も多かったのは「水分の少ないもの(パンやサツマイモなどの根菜類)を過剰に加熱する」(36.7%)。都がサツマイモを出力500Wで長時間加熱した実験では、11分13秒で小爆発を起こして発火。人が近くにいなかった場合、火事につながるリスクが確認された。

都は「電子レンジ事故は、経年劣化による故障よりも、危害・危険に対する認識不足や誤操作などによって起こるケースが多く見られる」と指摘している。

(本紙「ニッポン消費者新聞」5月1日消費者月間特集号より転載)
モバイルバージョンを終了