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巨大ネット企業のスーパー買収、肥満の増加を懸念

国際消費者機構(CI)

アマゾンやアリババといった巨大ネット企業が食品スーパーの買収を進めている問題で、国際消費者機構(CI)が消費者への影響を考察した。食品の低価格化や利便性の向上が進むと予測する一方で、個人情報の乱用や肥満の増加が懸念されると指摘した。

CIは買収劇の利点として、米国に2300万人以上いる「生鮮食品難民」(食品スーパーが近隣になく、生鮮食品にアクセスできない住民のこと)の問題を解決する可能性があると指摘。購買データをもとに健康的な食事を提供することが可能になるほか、短期的には食品価格が低下するとの見通しを示した。

一方で、両社の進出が地元スーパーを駆逐し、結局は消費者の選択肢をせばめる恐れがあると懸念。個人情報の乱用を心配する消費者も多いと強調した。また、「低価格で簡単に食品が購入できる仕組みが、健全な食生活につながるとは限らない」とし、利益を前提としたマーケティングが肥満の増加につながる可能性を指摘。「食品は地域、経済力、文化、年齢、性別に深く根差している。本や衣類、電気製品とは異なる取り扱いが必要なことを認識すべきだ」と釘を刺した。

(本紙「ニッポン消費者新聞」2月1日号より一部変更・加筆して転載)

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