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使用済み発泡スチロール、有効利用率92.3% 回収拠点も整備

発泡スチロール協会(柏原正人会長)は7月11日、記者会見を開き、2022年度の活動実績と23年度活動計画を発表した。柏原会長は「2050年までに温室効果ガスの総排出量をゼロにする」「カーボンニュートラル、脱炭素社会を実現する」などの政府方針に沿った活動を推進していくことを改めて表明。昨年4月に施行したプラスチック資源循環促進法に基づき、プラスチックに関する環境問題への社会的関心を受け、社会の期待に応える活動を展開することも示唆した。

SDGsの達成に貢献する事業展開を表明した発泡スチロール協会の柏原会長(7月11日)

柏原会長は、同協会として「SDGsの達成に貢献できるよう、資源としての発泡スチロールの有効活用を積極化させていく」と強調。23年度の活動スローガンとして「発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守る」を示したうえで、地球環境を守る持続可能な社会実現に寄与する活動にいっそう取り組む、と表明した。

発表によると、2022年の使用済み発泡スチロールの有効利用率は前年の92.0%を上回る92.3%。有効利用するための会員による回収・リサイクル拠点「エプシー・プラザ」は今年4月現在、全国に130拠点あることを紹介した。

小中高校生を対象とした環境学習にも力を入れ、生徒たちの工場見学にも積極的に助成していくとしている。すでに同協会への今年度の訪問要請は全国から30校を超えているという。

発泡スチロールは梱包材や断熱建材などに使用され、断熱性と緩衝性の特性を持つ。それに加え、軽量性、加工性に優れ、耐久性も高いことから日常生活の様々な分野で活用されている。それだけに、同協会の環境保護対策の実績向上と有効利用率の向上への取り組みに注目が集まっている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」8月1日号より転載)
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