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【米国】ローダ・カルパトキン氏死去 CRを世界最大の団体に

米消費者団体コンシューマー・リポート(CR、前身はコンシューマーズ・ユニオン)の事務局長や会長を務め、世界的な消費者リーダーとして活躍したローダ・カルパトキン氏がニューヨークの自宅で亡くなったことがわかった。93歳だった。団体の会員制雑誌『コンシューマー・リポート』の発行部数を倍増させ、CRを世界最大の消費者団体へと導いたことでも知られている。

各消費者団体やメディアの追悼記事によると、CRの活動に40年以上携わった。元々ニューヨークの弁護士であり公民権運動家だったカルパトキン氏は1974年に女性初のCR事務局長に就任。会長や顧問などを歴任し、役員やリーダーとして組織を率いた期間中、当時200万人だった会員数を500万人以上に増やし、世界最大の消費者団体へと導いた。同団体の現在の会員数は600万人以上とされる。

ローダ・カルパトキン氏(コンシューマー・リポートのプレスリリースより)

カルパトキン氏と10年以上CRで活動を共にしたことのあるU.S.PIRGのEd Mierzwinski氏の追悼記事によると、米国と欧州の消費者保護組織TACD(Trans Atlantic Consumer Dialogue)でもリーダーとして活躍。国際消費者機構(CI)の会長にも就いた。多くの国際会議に出席し、交渉相手の「ノー」という言葉を決して受け入れなかったという。

コンシューマー・リポートのマルタ・テラドCEOは「何世代もの消費者にどれほどの貢献をしてきたか、とても言い尽くすことはできない。私たちの組織のいたるところでローダの影響力を見ることができる。並外れた人物であり、勇気ある経営者であり、多くの人にとって最愛の友人であり、われわれのロールモデル(模範となる人物)だった」とコメント。

TACDも組織としての追悼記事を発表し、「1998年にワシントンで発足して以降、2016年まで運営に関わった。欧米で意見の相違があった部分についても文化的な違いを理解し、異なる視点や見方に対する寛容さを持っていた」と評した。さらに晩年の生活の一端を披露し、「人生の最後の数年間を恵まれない人々への奉仕に捧げ、ニューヨークのアッパーウェストサイドで貧しい人々のために情熱を注いで尽力した。事実、彼女は一度も引退したことがないのだ」と記した。

ニューヨーク・タイムズにも追悼記事が掲載されており、多くの人が彼女の功績を讃えている。

 

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