出会い系Tinder、30歳以上は高額に 豪州で改善運動

出会い系アプリTinderが年齢に応じて差別的な価格設定をしていることが調査でわかったなどとして、豪州の消費者団体CHOICEは2月8日、改善を求めるキャンペーンを開始した。一方、Tinder社は同団体に対し、すでに一部地域において年齢ベースの価格設定を廃止していると伝えたという。

CHOICEが2020年に実施した覆面調査によると、年齢の異なる60人がTinder Plusに入会したところ、年齢の高い利用者は若い人と比べて料金が高額になる傾向が確認された。30歳以上の利用者では、若い世代よりも2倍以上の料金を請求されるケースもあった。

さらに、事態を重く見た国際的な消費者機関「世界消費者機構」(CI)が6カ国調査を実施。その結果、ブラジルを除くインド、韓国、米国、オランダ、ニュージーランドの5カ国で年齢による差別的価格設定が確認された。CIは「Tinder Plusは世界600万人近くの利用者がいるが、利用者はこうした差別が行われていることを知らされていない可能性がある」と指摘。「デジタルサービスにおける価格設定アルゴリズムは不透明であり、執行機関や研究機関、消費者団体がいつでもアクセスし、監視できる仕組みが必要だ」と訴えた。

CHOICEやCIの調査では、統計的な有意性は確認できなかったものの、年齢以外のデータ(性別や地域、セクシャリティ)においても価格設定に何らかの影響を及ぼしている可能性がみられたという。CHOICEは「個人データを使った価格差別はやめるべきだ」とし、ホームページ上で署名キャンペーンを開始。集計後、同社にバレンタインデーのラブレターとして提出するとしている。

Tinder社は年齢による価格設定は認めたものの、そのほかの個人データの利用については否定。米国、英国、ブラジル、オーストラリアでは年齢ベースの価格設定をすでに廃止していると伝えたという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る