【英国】チャイルドシート吹き飛ぶ 消費者団体の衝突テストで

英国の消費者団体Which?は4月11日、ペグ・ペレーゴ社製チャイルドシートの前面衝突試験を行ったところ、衝突の勢いでシートが前方に吹き飛び破損したと発表した。同団体はメーカーに試験結果を報告するとともに、同製品の購入禁止と使用中止を消費者に呼びかけた。ペレーゴ社の製品は法定要件を満たしているが、団体はより厳しい要件でテストを行っていた。

チャイルドシート衝突試験

3歳児を模したダミー人形を使った衝突試験の様子(Which?ホームページより)

団体の発表によると、問題のチャイルドシートはペグ・ペレーゴ社「Viaggio Twist + Base Twist」(生後6カ月~4歳用)。チャイルドシート新安全規則「R129」に適合した製品だったが、団体が実施した前面衝突試験(時速64キロでの正面衝突を想定)では、支持脚が折れてシートが前方に吹き飛んだり宙を舞い上がったりして、子どもが車体天井に頭を勢いよくぶつける可能性があった。

Which?は1967年からチャイルドシートのテストを開始。2003年からInternational Consumer Research & Testing(ICRT)などと連携するとともに、ユーロNACPの試験方法に基づいたテストを重ねてきた。今回のように法定基準を満たした製品が不合格になるケースもあるが、同団体は「我々は法定の最低要件と比べて厳しい基準で衝突テストを行っている。それは実際の事故で起きていることを正確に反映するためだ」と強調している。

テスト結果を受け、ペグ・ペレーゴ社は同団体に「製品はすべてのR129認証テストに合格しているため、消費者の安全を保証していると確信している」と回答。「より厳しい条件下でのテストでなぜこのような結果になったのか、調査を進めている」と答えた。同製品は最近発売されたばかりで、欧州や英国でそれほど広く販売されていないという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. フランス消費者同盟
    動画投稿アプリ「TikTok」の複数のインフルエンサーが日焼け止めの危険性をあおり、使わないよう推奨c
  2. NCL
    米大リーグ、ワシントン・ナショナルズが観戦チケットを販売する際、手数料を開示していなかったなどとしてc
  3. 食品安全委員会
    食品安全委員会は7月23日、アレルゲンを含む食品のファクトシート(科学的知見に基づく概要書)を公表しc
  4. 東京都庁
    東京都は7月18日、2023年度インターネット広告監視事業の結果を公表した。1万6000件の広告につc
  5. コンシューマーリポート
    米消費者団体コンシューマー・リポートは7月12日、果物や野菜を洗う最も良い方法を示し、重曹や酢を用いc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る