多重債務相談に219件、1人平均686万円 少額でも相談を

東京都は、3月4日、5日の2日間に渡って実施した「多重債務110番」に219件の相談が寄せられたと発表した。病気による失業を契機に多重債務に陥るなど深刻な事例も寄せられた。多重債務を個人の知恵や努力だけで解決することは極めて困難になるため、都は「債務が少額であっても返済に不安がある場合は相談を」と呼びかけている。

多重債務110番は東京三弁護士会、東京司法書士会、日本司法支援センター(法テラス)などと連携して実施したもの。2日間に全体で219件の相談が寄せられた。

そのうち東京都消費生活総合センターが受け付けた51件の事例を分析したところ、相談者の平均年齢は52.7歳、1人当たりの平均債務額は686万円にのぼった。4社から借りている人が最も多く、借入先としては信販会社、銀行、消費者金融の順に多かった。

30歳の男性は病気により2年間休職後、解雇された。その後、障がい者年金が月10万円支給されるようになったが、それまでに借りたローンの残債が230万円あり、返済のためカードローンやクレジットカードのキャッシングから借入を繰り返した。センターは弁護士との面談の場を設定し、男性は法律扶助制度を利用して自己破産の手続きをする方向で進めていくよう助言を得たという。

都内の相談窓口では多重債務問題を抱える相談者を法律専門家などにつなぎ、解決の道筋ができるまでフォローアップする「東京モデル」という取り組みを展開している。都は「多重債務問題は必ず解決できる。1人で悩まずに早めに相談を」と呼びかけている。

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