なるべく期限の長い食品を購入45% 消費者庁はてまえどり推奨

消費者庁が9日に発表した「食品ロス」アンケート調査によると、食品を購入する際、「消費予定に関係なく、なるべく期限の長い商品を購入している」と答えた人は44.9%にのぼった。同庁は、すぐに使う食品については商品棚の手前から取る「てまえどり」を推奨しているが、「消費予定が近いものは、なるべく期限の短い商品を購入している」との回答は28.1%だった。

この調査は10月の食品ロス削減月間にあわせて実施されたもので、9月に全国15歳以上の男女5000人を対象にインターネットで行われた。

調査結果によると、食品ロス問題の認知度は81.2%であり、年代別では70歳代以上の認知度が89.9%と最も高く、20歳代の認知度が67.1%と最も低かった。消費期限・賞味期限については「理解している」(「よく理解」29.5%+「ある程度理解」47.1%)と答えた人は76.6%だった。

また、飲食店で食べきれなかった場合の対応について尋ねたところ、「食べきれなかったことはない」が44.5%と最も高かったが、「持ち帰るという発想自体がなかったので、持ち帰らなかった」との回答も8.7%あった。消費者庁は昨年12月、外食での食べ残しに関して持ち帰りを促すガイドラインを策定している。調査結果について、同庁は「普及啓発する上での課題として改めて認識した」と述べている。

一般家庭から出る食品ロス量は2023年度233万トン(推計値)と年々減少しているものの、政府の削減目標である「30年度に216万トン」までもうひと押し、ふた押しが必要な状況。消費者庁は農林水産省や環境省と連携し、10月の食品ロス削減月間にあわせて、全国のコンビニで「てまえどり」の呼びかけや川柳コンテストの作品募集などさまざまな啓発イベントを展開していく。

9日の定例会見で堀井奈津子長官は「てまえどりをはじめ、購入・管理・消費に当たって無理のない範囲で食品ロスをなくす取り組みを実践してほしい」と呼びかけた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?(ウィッチ?)は10月9日、ワイヤレスセキュリティカメラ(防犯カメラ)をc
  2. てまえどり
    消費者庁が9日に発表した「食品ロス」アンケート調査によると、食品を購入する際、「消費予定に関係なく、c
  3. カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は10月6日、CARS法(自動車販売詐欺対策法)に署名し、c
  4. 消費者庁
    ◎消費者を騙すダークパターンの典型例 市場からの排除が喫緊の課題 インターネット通販の広告で、いつc
  5. 電話相談
    日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)は10月の土日に無料電話相談「通信販c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る