「実質無料」の据置型Wi-Fiルーター、解約トラブル増加

コンセントに挿すだけで使える「据置型Wi-Fiルーター」をめぐり、消費者トラブルが発生しているとして、国民生活センターが注意喚起を行っている。携帯電話ショップなどで「実質無料」や「電話料金が安くなる」と勧誘を受けた高齢者が契約し、その後、解約トラブルに発展するケースが増加している。同センターは「契約前に月額の請求合計金額、通信料金、ルーター本体代金、解約料をそれぞれ確認してほしい」とアドバイスしている。

国民生活センターによると、2024年度の据置型Wi-Fiルーターをめぐる相談件数は1164件で、直近5年間で最多となった。25年度は9月末までで573件に達し、前年同期比25%増と増加傾向にあった。特に、70歳以上の契約者が全体の3割を占めるなど、高齢者を対象としたトラブルの増加が顕著となっている。

主な事例としては、「無料と言われて契約したら通信料金がかかった。解約したところルーター本体の代金を請求された」や、「スマートフォンの使い方を聞きに行っただけなのに、よくわからない箱を2つ渡され、2台分の据置型Wi-Fiルーターの契約をさせられた」などがあった。携帯ショップや家電量販店を訪れた高齢者が勧誘されるケースも確認されていた。

据置型Wi-Fiルーターは、通信とルーター本体の購入のセットにした契約が基本となる。月々の通信料金から本体代金を割り引く契約の場合、実質的に本体購入代金は「無料」となるが、途中で解約すると割引が適用されなくなり、残額を支払う必要がある。

高齢者トラブルが増えている背景について、国民生活センターは「電気通信サービスの契約は複雑であり、理解度には個人差がある。そのため、事業者の説明を十分に理解しないまま契約してしまうケースも見られる。一方で、事業者側に悪質性のある勧誘事例も確認されるため、両方の可能性が考えられる」と説明した。

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