除雪機の使い始めに事故多発、シーズン初頭は要注意

冬シーズンが始まる12月に、除雪機の事故が多発しているとして、NITE(製品評価技術基盤機構)が注意喚起を行っている。今シーズンの降雪量は平年並みか多い見込みであり、例年よりも事故が増える可能性がある。NITEは「除雪機を使い始める前に危険な使い方をしていないか再度確認し、安全に正しく使用してほしい」と呼び掛けている。

除雪機の事故

誤使用によりオーガに巻き込まれる除雪機事故(NITE再現実験より)

NITEによると、2024年度までの10年間に、除雪機の事故による人的被害が38件に上っていた。事故の約8割は使用者の誤使用や不注意によるもので、22人が死亡、14人が重傷を負っていた。月別では、12月が15件と最も多く、次いで1月が13件、2月が9件、3月が1件となっている。NITEは「特に使い始めの段階で注意してほしい」と呼び掛けている。

死亡事故は「除雪機の下敷きになった」、「除雪機のオーガ(回転部)に巻き込まれた」の2つのケースで多発している。重傷事故は「除雪機のブロワ(投雪口)に手を入れた」ケースで多く発生している。被害者の多くは高齢者であり、NITEは「豪雪地帯における除雪作業者の高齢化により、高齢者の除雪中の事故が増えている」と推察している。

事故を防ぐポイントは▽安全機能を無効化しない▽後進する際には、転倒や挟まれを防ぐために周囲の状況に注意する▽人が近くにいる時は使用しない。エンジンを掛けたまま離れない▽雪詰まりを取り除く際は、エンジンを切り、雪かき棒を使用する▽屋内や換気の悪い場所では、エンジンを掛けたままにしない――の5点。

2021年12月には、新潟県で男性が除雪機のオーガに巻き込まれて死亡する事故が発生した。この事故では、デッドマンクラッチを大きな洗濯ばさみで挟み、安全機能を無効化した状態で除雪機から離れた際に、誤ってオーガに巻き込まれたと考えられた。NITEによると、シーズン前の試運転の際にも除雪機の事故が起きてるという。

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