【豪州】返金対応で消費者法違反 ソニー英子会社に罰金判決

プレイステーションゲームの返金を巡り、ソニーの英子会社が消費者に誤解を招く説明をしたなどとして、オーストラリア連邦裁判所が6月5日、同社に350万ドル(約2億6600万円)の支払いを命じたことがわかった。ゲームをオンライン購入した消費者との間で返金トラブルが発生。豪競争・消費者委員会(ACCC)が昨年5月、同社の対応がオーストラリア消費者法に違反するとして提訴していた。

支払い命令を受けたのは、豪州でも事業を展開するソニー英子会社「ソニー・インタラクティブエンタテインメント・ネットワーク・ヨーロッパ」(ソニー・ヨーロッパ)。

ACCCによると、プレイステーションゲームをダウンロード購入した4人の消費者との間で返金トラブルが発生。消費者がゲームの不具合を理由に返金を申し出たところ、ソニー・ヨーロッパのサポートセンターから▽ダウンロード後の申し出であること▽購入から14日が過ぎていること――を理由に返金を拒否されたという。

裁判では、同社の対応が消費者に誤解を与え、消費者法違反にあたると認定。また、消費者の1人に「(返金するには)ゲーム開発者の承認が必要になる」などと伝えたことや、「プレイステーション内で通用するデジタル通貨で返金する」と説明したことも違反行為だと指摘した。

判決を受け、ACCCのロッド・シムズ委員長は「デジタル製品をオンラインで購入したとしても、実店舗で購入した場合と同様の権利を消費者は持つ」と強調。「ダウンロード後もしくは購入から14日間後に消費者保証の権利がすべて失効するなどということはない」とコメントした。

また、デジタル通貨での返金対応について「消費者が望まない限り、現金で受け取ったのなら現金で返還する必要がある」と指摘。提訴した相手が英法人だったことについては「世界のどこに本拠を置くかに関係なく、我が国の消費者を対象に販売した場合、我が国の消費者法が適用される」と語った。

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