FDAが異例の警告 ホールフーズ、アレルゲン不記載繰り返す

米アマゾン・ドットコム傘下の大手スーパー「ホールフーズ・マーケット」(Whole Foods Market)が自社ブランド商品で食品表示違反を繰り返したとして、米食品医薬品局(FDA)が警告書を出していたことが12月22日、わかった。FDAが再発防止を求めていたにもかかわらず、同社は数年前からアレルギー成分の不記載を繰り返していた。米消費者情報誌コンシューマー・リポートによると、アレルギー表示の欠落を巡り、FDAが小売業者に公的な警告を出すのは今回が初めてだという。

12月16日付けの警告書などによると、ホールフーズは昨年10月~今年11月までに食品表示を巡るリコールを32件実施。アレルギー成分表示の欠落が目立ち、深刻な大規模被害を招きかねない事態となっていた。こうしたミスを同社は過去数年にわたり繰り返していて、FDAは「表示違反を起こした場合、企業は原因を特定し、再発を防止する責任があるが、ホールフーズは改善が見られない」と強く非難。迅速に改善措置を取らない場合、差し押さえなど、より強い執行措置を取ると警告した。

リコールした主な商品は「ホールフーズマーケット ミネストローネスープ」(「乳」の欠落)や「ホールフーズ・マーケット ラズベリーチーズケーキ イタリアンジェラート」(「卵」の欠落)など。

食物アレルギーを持つ米国人は約3200万人いるとされ、コンシューマー・リポートは「個別のリコール案件は特定の従業員のミスが原因となっているが、相次ぐ違反はパターン化しており、経営上の問題と安全性に無関心な企業文化があらわれている」と指摘している。

ホールフーズは高級食品スーパーとして知られ、ネット通販大手のアマゾン・ドットコムが2017年に買収していた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 水
    米国立衛生研究所(NIH)が今年1月に公表した研究成果によると、市販のボトル入りウォーター1リットルc
  2. 消費者安全調査委員会
    消費者安全調査委員会(消費者事故調、中川丈久委員長)は4月25日、スポーツジムなどで発生している「パc
  3. PFASワーキンググループ
    食品安全委員会のPFASワーキンググループは4月26日、第8回会合を開き、「PFAS(有機フッ素化合c
  4. 米国の保険関連非営利組織「国家保険犯罪局」(NICB)は5月9日、盗難車に関する2023年報告書をまc
  5. 伝統的易学業界
    国民生活センターも参加、トラブル事例を解説 伝統的な易学の研究・普及に取り組んでいる占い関連団体がc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る