【米国】ボトルウォーターに24万個のマイクロプラスチック

米国立衛生研究所(NIH)が今年1月に公表した研究成果によると、市販のボトル入りウォーター1リットルに平均24万個のプラスチック粒子が含まれていることがわかった。新開発した画像技術を用いた研究成果で、これまで把握できなかった1マイクロメートル(100万分の1メートル)未満のナノプラスチックを迅速に検出できるという。過去の研究結果よりも10~100倍多いプラスチック粒子が確認されたと報告している。

研究成果の概要によると、約90%がナノプラスチックで、7種類のプラスチックが確認された。最も多く確認されたのはポリアミド(水のろ過などに使われるナイロンの一種)。ペットボトルなど食品の包装容器に使われるポリエチレンテレフタラート(PET)も大量に検出された。また、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンも確認されたという。そのほか数百万の粒子を特定したが、これらがナノプラスチックなのか、ほかの物質なのか判別できなかったという。

プラスチック粒子の健康影響についてはまだ解明されていないものの、研究者らは「これまで知られていなかった世界をのぞくことができる窓が開かれた。新しい技術はナノプラスチックのヒトへの暴露について理解を進めるのに役立つだろう」と強調した。今後、水道水や屋内・屋外の大気、生物組織など様々な環境サンプルの分析を進めるとしている。

米非営利団体U.S.PIRGは5月16日、この研究成果を紹介するとともに、飲料業界に再利用可能で詰め替え可能なボトルの採用を呼びかけた。

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