家電製品PLセンター24年度相談受付状況 エアコンが増加
- 2025/8/7
- くらし
◎前年比10%増の370件 備え付け工事や性能への苦情目立つ
家電製品の事故を巡る裁判外紛争解決機関「家電製品PLセンター」(永関雅史センター長)は7月2日、2024年度の相談受付状況を公表した。相談件数は前年比1%減の2089件で、そのうち損害事故相談は68%増の218件だった。損害事故による紛争を同センターが斡旋手続きをした事案はなかった。
全相談を商品別でみると、エアコンに関する相談が370件と最も多く、前年比10%増と増加傾向にあった。備え付け工事や性能に関する苦情が多く寄せられた。以下、洗濯機が182件(6%減)、テレビが172件(9%減)、冷蔵庫が169件(29%増)、パソコン(含タブレット)が116件(13%減)と続き、これら5製品は年度により若干の順位変動があるものの例年と同じく上位を占めた。
また、218件の相談があった損害事故のうち、被害が生命や身体、財産に広がる拡大損害事故は40%増の151件だった。商品別では洗濯機が29件と最も多く、水漏れ(19件)や異常振動による壁などの破損(4件)、火災・発煙(3件)などの事例が上位。次いでエアコンが21件となり、水漏れ(13件)や体調不良(3件)などが寄せられた。どちらの相談件数も過去10年間で最多だった。
今回の報告書では、トピックスとしてネットで購入した海外製品に関する相談を初調査した。その結果、相談件数は42件にのぼり、その多くが、海外事業者が直接ネットを通じて販売したものだった。製品としては電気暖房機、扇風機、除湿器、加湿器などの空調製品が多く、マ「PSEークがついていない」「電圧表示が120Vとなっている」「プラグ形状が日本のものと違う」などの事例が寄せられた。同センターは「製造事業者が不明など製品そのものの情報も少なく、相談者への回答に苦慮している」と報告している。
同センターへの相談は行政を経由した相談が多く、一般消費者からの相談のうち行政(主に消費生活センター)の紹介によるものが70%を超えている。こうした背景もあり、広報活動として消費生活センターをはじめとする行政機関との情報交換に取り組む。昨年度は千葉県消費者センターや東京都消費生活総合センターと会合をもった。また、相談受付状況を事例とともに月次および年度ごとにホームページで公表する活動も展開している。
(本紙「ニッポン消費者新聞」8月1日号より転載)