【米国】食品容器へのPFAS使用禁止広がる NY州も

テイクアウト用容器やピザ用ボックスなどに使われる化学物質PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の使用を禁止する動きが米国で広がっている。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は12月3日、食品容器へのPFASの使用を禁止する法案に署名した。施行は2022年12月31日。州としてPFASの使用禁止を決めたのはワシントン州、メイン州に続き3州目。これを受け、非営利団体のU.S.PIRGなどは「“永遠に残る化学物質”として知られる有毒なPFASからニューヨーカーを守ることになる」と歓迎する声明を出した。

PFASは食品包装やファストフードのテイクアウト用容器などに使われる化学物質。水や油をはじく性質があり、米国では1950年代から広く使われてきた。分解しないことでも知られ、人体や環境を汚染。ヒトの血液中や食品中から検出されたとする調査結果が報告されているほか、肝疾患、がん、高コレステロールなどの健康影響との関連性を指摘する研究報告もあるという。

クオモ知事が署名したのは「食品中のPFASの使用に関する環境保全法改正案」で、食品容器にPFASを意図的に使用することを禁じるもの。容器包装メーカーと食品関連事業者に対し、容器の販売や流通などを禁止して、代替化学物質への切り替えを促す狙い。

U.S.PIRGやコンシューマー・リポートなどは「新法は食品からのPFAS暴露を減らし、大気と水への汚染を抑制し、ニューヨーカーを保護することになる。クオモ知事の英断に拍手を送りたい」と歓迎する声明を出している。

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