米非営利団体がクラフトハインツの広告を非難 「野菜を軽蔑」

米国の非営利団体「公益科学センター」(CSPI)は3月24日、食品世界大手のクラフトハインツの広告が「健康的な食材である野菜を軽蔑している」として、今後こうした表現を使わないよう求める要望書を出したと発表した。

CSPIが問題視したのは、マカロニとチーズを使った商品のテレビCM。母親が子どもに野菜を食べさせようとするが、子どもが嫌がって逃げまわるシーンで始まり、その後、場面が切り替わって、子どもがマカロニ&チーズを美味しそうに食べるという内容。子ども向け番組に使われていたといい、CSPIは「野菜を軽蔑して自社商品の購入を促す内容。食品広告は子どもの健康な発育を視野に入れ、製品の責任ある利用を促す必要がある」とし、子ども向け広告のガイドラインに違反していると指摘した。

問題視されたクラフトハインツの広告

CSPIが問題視した広告の一つ。たっぷりとチーズをまとわせたブロッコリーの画像を使っている(CSPIプレスリリースより)

クラフトハインツは現在、このCMを流していないが、CSPIが問題視した広告は他にもあり、フライドポテトのキャンペーンでも野菜を軽蔑したという。キャンペーンの動画広告では、ブロッコリーが乗った皿を子どもが押しのけるシーンが繰り返された後、野菜を食べればフライドポテトを3本食べていいよという条件が提示され、子どもが野菜を食べるという内容。CSPIは「嫌がる野菜を食べさせるために、子どもにフライドポテトを賄賂として贈ることを勧めている」と指摘した。

さらに、チーズのポスター広告では、たっぷりとチーズがかかったブロッコリーの画像を使用。ブロッコリーの味が消えるようチーズを使うことを勧め、「WIN・WINだ」とのキャッチコピーを添えるなどしていた。

CSPIはこれらの広告手法について「健康的な食材を軽蔑し、野菜などは美味しくなく、避けるべきだとのイメージを子どもたちに植え付ける」などと指摘している。昨年11月、CPSIが同社の広告表現を問題指摘する文書を送ったところ、同社は表現に問題はないとしたものの、キャンペーンを終了させると回答したという。

CPSIは「自社製品を宣伝するために、健康的なライフスタイルの選択を妨害したり、野菜の摂取を思いとどまらせたり、健康的な食材を軽蔑したりしてはいけない」と訴えている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る