【米国】高所からの避難用バッグ、幼児転落のおそれ 当局が警告

◎メーカー、販売中止に応じるもリコールは拒否

子どもをバッグに入れて、高所から緊急避難させる器具について、米消費者製品安全委員会(CPSC)は5月20日、深刻な転落リスクがあるとして、消費者に廃棄を呼びかけた。メーカーは昨年12月、CPSCの要請に基づき製品の販売中止に応じたが、リコールについては拒否している。オンラインで昨年末までの約11年間、販売が続けられてきたという。

ベビーレスキュー

CPSCが購入者に廃棄を呼びかけた緊急避難用バッグ。使用中にバッグが外れ、子どもが転落する危険性がある(CPSCプレスリリースより)

問題の製品は、セーフティ・インターナショナル社の「Baby Rescue Rapid Evacuation Devices」(幼児緊急避難装置)。緊急時に高所から乳幼児を降ろすための使い捨てバッグ。一部の製品には「中国製」のタグがついているが、ついていない製品もある。バッグには60フィート(約18メートル)の黄色いひもが付いていて、体重75ポンド(約35キログラム)を超える子どもは使用対象外としている。

CPSCの調査によると、使用中に破損し、バッグがひもから外れて子どもが転落する危険性があるという。

2010年から昨年12月まで、同社サイトやアマゾン、ウォルマート、Kマートなどのオンラインで一般販売された。CPSCは消費者には廃棄を、小売店や中古品業者には製品の撤去を呼びかけている。

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