【英国】当局が企業に罰金、裁判所介さず直接介入 政府案

英政府は、消費者法に違反する取引行為を行った企業に対し、競争・市場庁(CMA)が直接罰金を科すことができるという新規則を提案した。訴訟を起こす必要がなく、被害が拡大する前にいち早く規制当局が介入できる仕組みを目指す。英国消費者団体Which?が6月19日、伝えた。

CMAは、この新規制案をもとに、サブスクリプションサービス(毎月定額料金を支払って、製品を利用する権利やサービスの提供を受ける方式)に切り込む考えを示した。同サービスについて「簡単に加入できるが、解約が非常に困難な仕組みになっている」と問題視している。また、チケット転売や介護施設の不当条項の改善にも取り組むとした。

新規制案は、辞任を発表しているテリーザ・メイ首相の置き土産となるもの。メイ首相は「あまりにも長きに渡り多くの大企業の悪質な取引慣習を放置したため、サービスの質が落ち、市場の混乱を招いている」とコメント。「政府がこの問題に取り組まなければ、消費者だけでなく、優良企業さえも衰退させてしまう」と強調した。

Which?によると、新規則案は近々公表される消費者白書にも盛り込まれ、まもなく審議が始まるという。Which?は歓迎する一方で、実際に罰金が行使されるのはかなり先になるとの見解を示し、「新規則案の趣旨を企業が理解し、公正な取引への動機づけになることをまずは期待する」と産業界に軌道修正を呼びかけた。

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