【米国】遺伝子組み換え動物の規制、FDAが主導へ 権限明確化

米食品医薬品局(FDA)は5月8日までに、動物における意図的なゲノム改変(IGA)の規制・承認アプローチを解説する業界向けガイダンスを発表した。食品政策を監視する非営利団体「公益科学センター」(CSPI)によると、今回のガイダンスはFDAが規制の権限を持つことを明確に示すものだという。遺伝子組み換え動物の規制を巡っては過去数年間、FDAと農務省(USDA)のどちらが主導するのか明らかでなかったとしている。

CSPIによると、FDAは食品医薬品化粧品法に基づき、成長が速い遺伝子組み換えサーモン(2015年)や低アレルギーの遺伝子組み換え豚(2020年)などを承認してきたが、USDAは規制通知を出すなどして権限を主張し、どちらが担当するのか論争が続いていたという。

CSPIは「規制の管轄権をめぐる政府機関同士の争いには目を覆いたくなる。公衆衛生が危険にさらされる恐れがある」と非難し、FDAが担当すべきと強く主張。その理由として▽FDAは公衆衛生と人間および動物の健康を任務としているが、USDAの任務には農業振興が含まれ、ヒトの健康を中心としていない▽USDAは家畜を監督しているが、FDAはすべての動物に対して権限を持っている▽FDAには遺伝子組み換えに関する経験があり、規制を担当するための科学的リソースが備わっている――などをあげていた。

FDAは今回のガイダンスの中で、USDAとの関係について「規制に関する様々な問題について緊密に連携し、申請に関する情報を共有していく」としたうえで、FDAが規制プロセスを主導していくことを強調している。

ピーターG・ルーリーCSPI会長は「FDAは科学的専門知識と人間および動物の健康に関する使命を持っており、遺伝子組み換え動物の利益を最大化しつつリスクを最小限に抑えるための最も適切な連邦機関だ」と歓迎するコメントを出している。

CSPIは遺伝子組み換え食品について厳正な規制のもと容認する立場をとっている。「より安全で透明性の高い食品システムの構築に向けて強力な連邦規制を求めていく」とする一方で、バイオテクノロジー産業と農家には「遺伝子組み換え作物・動物を持続可能な方法で使用するよう働きかけていく」とし、消費者には「リスクと利点について啓発を続ける」としている。

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