<米国>涼しい日でも注意 子どもやペットの車内置き去り

本格的な夏の到来を前に、米消費者情報誌コンシューマー・リポートは子どもやペットの車内置き去り事故に注意を呼びかけた。涼しいと感じる日でも、密閉された自動車内は1時間もたたずに危険なレベルに達すると警告している。

同誌のテストでは、屋外が約16℃の日でも、密閉状態の車内は1時間程度で40℃以上に上昇することがわかった。同誌医療担当ディレクターのオルリー・アヴィッツア氏は「大人にとって快適な日でも、子どもにとっては脅威となる可能性がある」と指摘。「テスト結果は、車内の熱中症死亡事故が真夏の猛暑日だけに起こるものだという誤解を払拭することになる」と強調した。

密閉状態の車内では、日光によりダッシュボードやシート、ハンドルなどの部品がすぐに熱を持ち、車内温度を上昇させる。窓をわずかに開けたとしても、車体に降り注ぐ日光を遮らない限り、車内では高温状態が続くという。

米国では1998年以降、車内での熱中症による死亡事例が年平均37件発生。今年もすでに6人の子どもが死亡していた。米小児科学会は、体温調節機能が発達していない乳幼児は大人よりも早く脱水状態に陥るとして、車内置き去り事故に注意を呼びかけている。

アイダホ州で2017年5月、5歳児が車内に4時間放置され、熱中症で死亡する事故が発生。その日の最高気温は24℃だった。また、バージニア州で07年3月に起きた9歳児の死亡事故では、当日の最高気温は16℃だったという。

自動車メーカーの一部は置き去り警報システムの搭載を始めており、コンシューマー・ユニオンなどの消費者団体は市場に出回る全車両への標準装備を要求している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. コンシューマーワイド 食品ロス問題は持続可能な未来を目指す国際社会の課題になっている。SDGsは1c
  2. unicharm
    消費者共創と協働 夜用のショーツ型ナプキンの昼用として10月に発売した。商品名は「ズボンを脱がずにc
  3. ニッポン消費者新聞2025年1月1日号
    特集 悪質商法対策プロジェクトチーム 消費者庁が立ち上げ、高市首相の国会答弁ウケ ~関c
  4. 消費者庁
    食品の流通量が増える年末に向けて、消費者庁は都道府県と連携して年末一斉取締りを実施する。年末一斉取りc
  5. 除雪機の事故
    冬シーズンが始まる12月に、除雪機の事故が多発しているとして、NITE(製品評価技術基盤機構)が注意c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る