暖房器具の事故、7割で火災発生 5年間に107人死亡

暖房器具による事故で火災が起き、2017年度までの5年間に107人が死亡したことが11月22日、NITE(製品評価技術基盤機構)の調べでわかった。火災が起きた暖房器具は石油ストーブやヒーター、こたつなど様々で、高齢者が巻き込まれる事例が目立った。洗濯物などの可燃物を近づけたり、就寝時に使用したりしないよう注意を呼びかけている。

石油ファンヒーター

カートリッジタンクから漏れたガソリンに引火し、炎に包まれる石油ファンヒーター(NITEの再現実験により)

NITEによると、暖房器具の事故が5年間に1064件あり、770件(72%)で火災が発生。死者は107人に上り、74人が重傷を負った。死者数が多い製品は、石油ストーブ(47人)、電気ストーブ(34人)、石油ファンヒーター(13人)、こたつ(6人)、電気マット・カーペット(4人)などの順。死亡事故の7割を70歳以上の高齢者が占めていた。

一方、重傷被害が多い製品はゆたんぽ(24人)で、低温やけどを負うケースが目立った。

今年1月、栃木県で男性が死亡する火災が発生。石油ストーブのカートリッジタンクのふたを十分に閉めなかったため、ストーブにセットする際に灯油が漏れ、高温の燃焼部分にかかって引火したとみられた。16年11月には愛知県の80歳代男性が死亡する火災が起き、ヒーター付近の可燃物が発火したことが原因とみられた。

NITEは「毎年同様の事故が繰り返し起きていて、なかなか無くならないのが実態だ」と指摘し、再度、正しい使用を呼びかけた。

■主な製品の死亡事故発生状況

  • 電気ストーブ…可燃物の接触
  • 石油ストーブ…カートリッジタンクのふたの閉め忘れ・閉めつけ不良、可燃物の接触、ガソリンの誤給油、製品の取り付け不良、故障品を使用、ほこり付着による不完全燃焼
  • 石油ファンヒーター…ガソリンの誤給油

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 国際消費者機構(CI)
    100カ国以上、200を超す消費者団体が加盟する国際組織、国際消費者機構(CI、本部・ロンドン)は1c
  2. 国民生活センター
    ◎国民生活センター、対応策を提示 スマートフォンやパソコンに保存されている「デジタル遺品」。故人がc
  3. 全相協公開シンポジウム
    ◎「サプリメント形状食品の規制必要」との意見も 全国消費生活相談員協会(全相協)は11月15日、秋c
  4. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 健康食品110番に350件超 全相協、シンポジウムで報告 機能性食品は21件 ~c
  5. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る