【米国】自動車タイヤに窒素 情報誌と政府当局が効果を検証

自動車タイヤに窒素を充填する有料サービスが広がる中、米消費者情報誌コンシューマー・リポート(CR)は5月11日、その効果を検証する記事を掲載した。結論は「コストをかけるほどのメリットは実感できない」というもので、「効果を過信するあまりユーザーが空気圧の確認を怠る懸念がある」と指摘した。

米国では、ディーラーやタイヤ専門店などで、空気の代わりに窒素をタイヤに充填するサービスが広がっている。料金はタイヤ1本につき5ドル(550円)以上。メリットとして▽空気漏れの減少▽低燃費▽走行時の摩擦・抵抗の減少▽安全性向上――などがうたわれている。

こうした中、CRと国家道路交通安全局(NHTSA)がそれぞれテストを実施した。CRのテストでは31種類のタイヤを2組ずつ用意し、1本には空気を30psi(psi=空気圧の単位)、もう1本には窒素を同量充填して、1年間屋外に放置した後、空気圧を測定した。その結果、空気入りタイヤの漏れは平均3.5psiで、窒素入りタイヤは平均2.2psi。その差はわずか1.3psiで、「確かに窒素のほうが漏れは小さかったが、時間が経つにつれてどちらも空気圧が低下した。我々は窒素入りタイヤのユーザーが定期的に空気圧を確認しなくなることを懸念する」とコメントした。

一方、NHTSAのテストでは、窒素がタイヤの酸化や劣化を抑えることが確認されたが、通常のタイヤは劣化が問題になる前に交換時期が来るため、「窒素を充填しても、消費者にとっては実用的ではない」と結論。また、走行中の抵抗性についてもほとんど差異が認められず、「空気でも窒素でも、タイヤに適切な空気圧が維持されていれば性能は同等になる」と報告した。

CRの取材に対し、大手タイヤ専門店タイヤラック(Tire Rack)の幹部は「大事なのは空気圧。定期的なメンテナンスがタイヤの性能・品質保持に欠かせない」と定期点検の重要性を強調したほか、「空気の充填は無料だし、機能的にも問題ない」とコメントした。CRは「毎月1回は(気温が上昇していない)午前中に空気圧をチェックしてほしい」と呼びかけた。

航空機や特殊な大型トラックのタイヤには窒素が使われているが、一般の乗用車の場合、窒素を使うメリットを実感できる機会は少ないようだ。ちなみにタイヤに充填される空気の78%は窒素で、21%が酸素、残る1%がその他のガスだという。

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